2019年07月01日 00:00

「第47回いじめ・虐待防止フォーラム」のご報告(その2・小沼鏡絵先生のカウンセリング事例)

「心と体のバランス保ちませんか。」
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小沼鏡絵先生のお話の内容を紹介します。
 
みなさんこんにちは。
私は夫の経営するクリニックで、看護師、カウンセラーとして勤務しています。
クリニックには毎日様々な患者さんが来院されます。
そして患者さんの中には、身体症状が精神的な事が原因ではないかと思われる方もいます。
医師の診察上、明らかな異常が認められないため、身体症状の原因を確かめるために、更に詳しくどんなことがあったのかを聞き、全体的に判断することが必要なため、傾聴を行っています。

その結果、患者さんの心の問題(自身の心の癖による原因、夫婦関係や親子関係、職場などの人間関係等)が元で起こっているのではないか?と考えられるものもあり、そういった場合は、カウンセリングを勧めています。
心と身体は密接な関係があり、体調を崩して心が病むのか、心が病んでいるために体調を崩すのか、どちらが先かはわからなくても、体調を回復させるには、心と身体、両方からのアプローチが必要と思います。
ストレスは時に心身の不調を起こします。
子どもの問題行動について、親が医師に相談することもあります。
その様な時、医師は母親を取り巻く環境などを聞いたりします。
そうすると、子どもの問題行動が母親の関わりから起こっているのではないか?と考えられるケースも見受けられます。

よくあるケースとして、父親でもある夫が母親のサポートをしないことや、母親自身が心に問題を抱えている場合があります。
そういった場合、子どもの問題行動にアプローチするのではなく、母親の心の回復をさせることがまず先になります。
問題を抱え込んでいる母親も多く、そのために子どもへの影響が出ていることも考えられます。
「ストレスはありませんか?」と問いかけると、深く頷く患者さんはとても多いです。
問題の大半は誰か(第三者)に聞いてもらうことで消化できることは多いのですが、その話を聞いてくれる人、支えてくれる人が側に居ないということも、現実問題として見えてきます。
母親の場合、サポートに適任なのは夫なのですが、夫婦関係があまり良くないというケースも多いです。
表面上は良くても、話を聞いてくれない、というコミュニケーション関係が希薄であることが傾聴から伺えます。
よく聞く相談としては、子どもが学校に行けないこと、体の不調が長引いていたりすることは何が原因かということを考えますが「それは子ども自身の問題だ」「子どもを何とかして欲しい」と訴える親がいることも事実です。
ところが良く調べてみると、事実は家庭内で起こっている上手くいっていない家族関係という環境のせいで、その家庭環境の機能不全の状態を言葉で的確に表現できない子どもが、自分自身の身体の不調という形で無意識に訴えているケースがあります。
医師は患者さんの身体を診ると同時に、心(問題の原因)も見なくては、一時的に良くはなっても、また再び体調を崩して再来院することもあります。
ウィルスによる疾患(風邪など)なのか、心の問題からくる疾患(心の病)なのか、両方診る事が出来なくては、患者さんの本当の健康の維持は難しいと思います。
クリニックにくる患者さんは、親子で来院される方も多いです。
その時の親子間のやり取りを見ていると、医師が子どもに質問しているのに母親が全て答えたりする場面もあります。
子どもは自分のことは自分で話せる年齢であっても母親が医師と子どもの間に割って入るのです。
その時の子どもは母親の顔をチラチラ伺っています。
また、子ども本人が検査に入り母親から離れた後、医療者との接し方はしっかり大人びているのに、母親の元に戻ると甘えん坊の子どもの姿に戻ることもあります。
そういった状況を見ていると、母親の影響はかなり強いと思います。
精神科の医師からの話です。
事例として、子ども、もしくは配偶者を病気にさせたいと考える相談者もいます。
親が子どもの症状を相談するために病院に来院し、医師はその症状を聞き症例と症状を当てはめて、統合失調症と診断し、薬を処方します。
医師は患者本人には一度も会っていません。
直接の診察をせず、患者本人への処方がなされていたりします。
このように、親が子どもを構いすぎ、その結果自分で考えることが出来ず、問題が起こっても自分で対処出来ない。
そのような子どもの扱いに困って相談にくる親のケースは多いです。
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次に私自身の体験を話します。
実は私は過去に子どもを亡くしています。
その当時は、現実が重く、自分一人で抱え込んでいました。
同じ体験者に会い、サポートをしてもらい、回復してきたとの実感もあります。
当時は、上の子ども二人にも影響が出ていました。
私自身が寂しかったせいだと思います。
私は自分一人で何とかしなくてはという思いと、誰に何を頼ればいいのかわからないということもありました。
私がサポートを受けて、自分をケアしながら子ども達への関わりに気をつけられるようになり、死という現実以外の、夫婦のあり方や親子のあり方を改めて考えるきっかけにもなりました。
その体験から子どもを伴って来院する母親の言動を注意深く観察すると、診察中の子どもの行動に対して必要以上に子どもに注意をしていたり、または全く注意をしなかったり、と様々な状態が見られます。
気になるのは母親が自分で許容範囲を決め、子どもがそれを超えてちょっと動いただけで細かく叱ることや、逆に子供が触ってはいけないものを触っているのに、それをやめさせないような時です。
また、待合室でも、自由に飲める飲料水を必要もないのに流し続けて遊んでいる我が子を注意もせず、その横でスマホや携帯に没頭してる親もいます。
そこで思うのは、子どもの気になる症状は、母親の心から来ているのでは?と思うこともあります。
まず何が原因で今の状態になっているのか。
それを医師が身体と心の両方から診ることで、患者は本来の健康な身体になると思います。
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長年、子育て支援や学校の相談員として活動されてきた磯野亜津子さんからは、ご自身の体験として様々な事例をお話しいただきました。
その中でも、終戦後すぐの時代に地方から中学校を卒業して集団就職で東京に出てこられた若い方たちのご苦労やお話を、ご自身の家庭の貴重な体験から詳細にお話して頂きました。
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質疑応答では、東京都の子育て事業関連の事務局に長年携わっておられて毎回ご参加いただいている西田さんや、他の参加者の方々からも、経験したことやそれに基づいた質問がありました。
岡田ユキや大堀先生、小沼先生から丁寧な回答があり、時間を迎え第47回いじめ・虐待防止フォーラムは無事閉会しました。
以上
 
次回のフォーラムは、
令和元年7月21日(日)13:00開場13:30~17:00迄    
新宿区大久保地域センター・会議室B
で開催いたします。
 
皆様のご参加をお待ちしております。

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