不満
2021年01月13日 01:09
運命の出会い、その2
矢沢永吉さんに出会って
再び1冊の本と人との出会いが、私の運命を変えました。
その本とは「成りあがり―矢沢永吉激論集」です。
当時、シングルマザーとなって上京してきた私は、幼少期に受けた虐待の体験によって植え付けられた、人とは違う思考行動パターンに苦しんでいました。
そもそも私の体験は、一般常識では想像も出来ないもので、尚且つ、戦争体験や災害による体験でもないために、症例、事例すらありませんでした。
また、自分自身でも「いったい何が苦しいのか?」それすら、分かりませんでした。
書店でこの本を見つけた時は「運命」だと思いました。というのも、私が出会い仲良くなる人は、全員と言って良いほど「矢沢永吉ファン」だからです。
読み終えて分かったことは、彼こそが長年探し求めていた、特殊な体験を共感し合える相手だったということでした。
私は嬉しくなって、矢沢さんに手紙を書きました。
数日後、矢沢さんから「頑張ってほしい!」と、電話をいただきました。
大変驚きましたが、深い痛みを体験された矢沢さんだからこそ、深い愛情をお持ちなのだと、涙が止まりませんでした。
こうしてやっと同じ痛みを共有できる人と出会え、互いの思いを伝え、理解しながら私は、サークル・ダルメシアンの活動を通して、同じ体験で苦しむ人たちの思いを共有できる場所を作ろうと頑張りました。
私の活動が初めて新聞に取り上げられて記事になった時には「すごいね!」と言って、自分のことのように喜んでくれました。
「虐待死事件」が急増し、児童相談所の無知な対応や虐待する親の残虐さによって、罪のない子供が犠牲になることは、許せませんでした。
虐待される子供の思考行動パターンを全く知らないために身勝手な大人が事件へと誘導していることを知らせるために「虐待死をまぬがれて」という冊子を無料配布する活動を始めました。
ところが、行政や専門の窓口からは門前払いや「いらない」と言われました。
自分たちには海外で心理を学んだ専門家がいるから、体験者の体験なんて必要ないということでした。
ホームレス問題、野良猫の餌付け問題、子ども食堂問題、彼らにとって自立を促せないことが「他人を助ける」と思い込んでいるからでした。
そんな中でも、矢沢さんをはじめ成功し、苦労している人たちは「虐待死をまぬれて」を買ってくれました。
「無料で配布しています」と伝えても、こんなに大変な活動をやってくれているのだから、と、ここでもまた思いを理解してくれました。
幼少期、親から虐待を受けた人は「自分がみじめで苦しい」なんて一言も漏らしません。
むしろ上を目指し世界や組織、人のトップに立って頑張っています。
だからこそ大人になると幸せになっています。
幼少期に親から無制限に物や愛情、お金を与えられた人が「私は親にいじめられた」「虐待された」と言います。
このタイプの人を助けても彼らは、不満を転嫁してきますが、感謝はしません。
そしてこのタイプが、他人を助ける立場になった時に「虐待死事件」の原因を作ってしまうのです。

